現代の企業で働く方々とお話ししていると、そんな“静かな疲れ”を抱えている姿をよく目にします。情報があふれ、考えるより早く決断が求められる時代。
気づけば、私たちの心の奥にある静けさは薄くなり、判断の軸が揺らいでしまいます。
禅は修行僧だけのものではありません。
日常の営みや企業活動の中にこそ、その本質が最もよく活きます。
なぜ今、企業が禅を求めているのか。禅を取り入れると、なぜ組織の判断力やチームの関係性が変わるのか。
その理由を、富士山麓・山梨県都留市にある禅寺「耕雲院」での実践をもとにお伝えします。
1|なぜ今、企業が「禅」を必要としているのか
現代は、情報やタスク、人間関係など、心をざわつかせる“ノイズ”が絶えず押し寄せる時代です。
永平寺で修行をしていた頃、雪が静かに降り積もり、世界の音が一度すべて消えたかのような瞬間がありました。
あの「音のない世界」を思い出すたび、人は本来、それほどの“静けさ”がなければ、自分の心の声さえ聞こえないのだと感じます。
企業が抱える多くの課題の根には、この“静けさの欠如”があります。
- 情報過多による集中力の低下
- 管理職の判断力・決断力の質の低下
- 若手のストレス耐性の脆さ、メンタル不調
- 組織のコミュニケーション不足
- バーンアウトや離職の増加
これらはすべて、心を整える時間がなく「余白が失われている」状態から生じます。
従来の研修には、知識のインプットはあっても、
“心身の状態を整える”という前提が抜け落ちています。
器がいっぱいのまま水を注げば、ただ溢れるだけです。
禅はこの「器を空にする」ための方法なのです。
👉 通常の研修では不足しがちな“体験的学び”については「【企業向け】リトリート研修とは?禅×富士山で整う法人向けお寺リトリート」でも詳しく解説しています。
2|禅を取り入れた研修が効果的な理由
禅は、企業向けのメソッドではありません。
しかし、現代のビジネスパーソンが求めている「判断力」「集中力」「精神の安定」を育てるための核心が、すべて禅の中にあります。
ここでは、禅が企業研修として大きな効果を生み出す4つの理由をご紹介します。

① “静けさ”が判断力を取り戻す
坐禅とは、ただ静かに座ることではありません。
「放下着(ほうげじゃく)=いったんすべてを手放す」
という実践です。
情報が多すぎると、ものごとの本質が見えなくなります。
ですが一度立ち止まり、姿勢を正し、呼吸を調えてみる。
すると、雪が積もるようにノイズが消え、
自分が何に迷い、何を大切にすべきかが見えてきます。
禅が教える静けさは、判断力の源なのです。
② 姿勢と呼吸で、メンタルが整う(身心一如)
姿勢が整うと、判断のブレが減ります。
呼吸が深まると、自律神経が安定し、
“感情に振り回されにくい判断” ができるようになります。
仕事で心が疲れるとき、実は体が先に悲鳴を上げていることが多くあります。
坐禅は、姿勢を安定させ、ゆっくり呼吸しながら、体の緊張をほどいていく実践です。
体が整えば、心は自然と整います。
これはメンタルケアの観点からも非常に有効です。
👉姿勢と呼吸が整うと判断力が戻る—
この考え方は「【禅の考え方|思考に振り回されない生き方】」でも詳しく解説しています。
③ 集中力と持続力が“自然に”高まる
禅には「工夫(くふう)」という言葉があり、
与えられた役割に一心に向き合うという意味があります。
この精神は、集中力を高め、仕事の生産性に直結します。
④ 体験的学びなので、行動が変わりやすい
禅は「理解」より「体験」が前に来ます。
頭でわかったつもりになるのではなく、
体験を通した“身体知”が行動変容を生みます。
道元禅師は「行学一如(ぎょうがくいちにょ)」と説きました。
学びと行いはひとつであり、実践してこそ深まるという意味です。
この「身体化された学び」は、研修の現場での再現性を飛躍的に高めます。
3|企業向け禅研修で得られる効果

禅の研修は、社員一人ひとりの「あり方」を調えます。
それは最終的に組織全体の空気を変え、持続的な成果を生み出します。
① 判断力の向上
- 迷いが減る
- 優先順位が自然と整理される
禅語に「杓底一残水(しゃくていいちざんすい)」とあります。
ひしゃくの底に残ったわずかな水でも大切にする、という意味で、
“今あるものを丁寧に扱う姿勢”を指します。
余計なものに振り回されない判断力が育ちます。
② メンタルの安定・ストレスの軽減
- 姿勢と呼吸の調整で心が安定
- 心のモヤモヤ(苦しみ)の原因に気づける
永平寺では、忙しい修行の中でも「立ち止まる時間」を必ず持ちます。
忙しい(=心を亡くす)日常だからこそ、一度止まることが必要なのです。
③ コミュニケーションの質が向上する
道元禅師は「言葉は三度顧みよ」と説きました。
これは、感情で反応せず、相手のためになる言葉を選ぶ姿勢を言います。
- 情緒的な反応が減る
- 相手を思いやる聞く姿勢が育つ
職場のすれ違いが減り、協働が生まれます。
④ リーダーシップの質が変わる
禅のリーダーシップは、力で引っ張るものではありません。
「静かなリーダーシップ」です。
- 大局観を持つ
- 執着を手放す(放下着)
- 私利私欲ではなく“志”で動く
これは変化の激しい時代にこそ必要な力です。
⑤ チームの雰囲気が調う
- 職場の“空気”が落ち着く
- 衝突が減り、建設的な会話が増える
禅の実践によって育つ三心(喜心・老心・大心)は、
チームに心理的安全性を生み出します。
お互いを尊重し、安心して意見を言い合える組織文化は、
成果だけでなく、働きやすさにも直結します。
4|研修を成功させるために
企業側が意識すべきポイント
禅の研修は「何を目的に行うか」で効果が大きく変わります。
① 目的設定のコツ
- メンタルケアか
- リーダー育成か
- 組織文化づくりか
“何のために研修を行うのか”を明確にするだけで、得られる成果が変わります。
② 参加者に事前学習が不要な理由
禅は頭で覚えるものではありません。
坐禅している姿そのものが修行であり学びです。
知識より、まず体験。
それが禅の本質です。
③ よくある失敗例と解決策
- 忙しい日に詰め込みすぎる
- 振り返りの時間を削る
- 目的が曖昧なまま実施する
禅の研修は、単なる一日のイベントではありません。
姿勢・呼吸・ものの見方といった“小さな習慣”が現場で再現されるため、
研修直後だけでなく、数週間・数ヶ月後にも変化が持続します。
5|富士山麓で“静けさ”を体験する時間
耕雲院の禅リトリートでは、
姿勢を調え、呼吸を調え、静けさに身を置く時間を中心に構成しています。
永平寺での日々の修行で培った「丁寧に向き合う姿勢」を、
皆さまにも自然に体感していただけるように案内しています。
① 富士山麓・山梨県都留市という「静寂の環境」
耕雲院は、富士山を望む静寂の土地にあります。
静かな環境は、ビジネスパーソンの脳が抱えている
“認知負荷(情報処理の疲労)” を大きく減らしてくれます。
周囲の刺激が少ないことで、思考のスピードが自然に落ち着き、
意思決定に必要な視点が整理されやすくなります。
風の音、木々の揺れ、鳥の声など、自然の音がそのまま“研修の背景”になります。
都市部では得られない“思考の余白”が生まれます。
外部刺激が少ない環境では、脳が多重タスクから解放され、
心の中に散らばっていた情報が「あ、こうすればいい」と
ひとつの線につながっていく体験が起こります。
思考のスピードも自然とゆるみ、視野が広がるような感覚が生まれます。
多くの企業の方が、「久しぶりに、静かな自分に戻れた」とおっしゃいます。
富士山麓という環境そのものが、研修の価値を大きく引き上げてくれるのです。
② 禅の教えに基づいた体験の組み合わせ
耕雲院のリトリートは、頭で理解するのではなく、
“身体から調える”ことを重視しています。
- ヨガで体をゆるめ、緊張をほどく
- 坐禅で心を静め、今に戻る
- 写経で言葉と向き合い、思考の流れを整える
この流れは、忙しいビジネスパーソンが“ゼロの状態”に戻るための、とても効果的な組み合わせです。
—耕雲院プログラム—
- 所要時間:約3〜4時間
- 内容:ヨガ・坐禅・写経 ※精進料理はオプション
- 費用:10,000〜15,000円
- 場所:山梨県都留市(富士山・河口湖から車で約40分)
👉 詳細・予約はこちら → 耕雲院公式サイトリンク
6|耕雲院 副住職・河口智賢が直接ご案内
私は山梨県都留市の曹洞宗 耕雲院で副住職を務めております。
若い頃に大本山・永平寺で修行し、坐禅・作法・精進料理を通じて
「起きていることをそのまま受け取る」という禅の姿勢を学びました。
映画『典座 –TENZO–』で主演を務めた際、
文化や背景の異なる方々が“静かに座る”という体験だけで心を開いていく姿を目の当たりにし、
禅の持つ普遍性と、人が本来備えている静けさの力を強く感じました。
この「そのまま観る姿勢」は、
実は現代の企業が抱える課題 —
判断の迷い、コミュニケーションのすれ違い、ストレスによる視野の狭まり —
に対して大きな助けとなるものです。
耕雲院での研修では、坐禅・写経・ヨガ・精進料理など、
一つひとつの実践を通じて、心と体を整える時間をご案内しています。
知識を詰め込むのではなく、体験を通じて「自分の軸に戻る」ことを大切にしています。
禅は特別な技術ではなく、誰にでも開かれた実践です。
その姿勢が日常で生きるからこそ、
私は子ども食堂の運営、オンライン坐禅、地域の学びの場づくり、
そして企業研修など、多様な場で禅を届ける活動を続けています。
静かに座り、呼吸に戻る。
その小さな行いが、判断の質を変え、
思考に振り回されない心を育てていきます。
耕雲院でその変化を丁寧にご案内いたします。
7|体験者の声
「心の奥に“静けさの余白”が生まれました。」
日常では味わえない深い静寂に包まれる時間でした。自分の呼吸が“帰る場所”になる感覚を体験できました。「坐禅と法話が、自分の生活を見直すきっかけに。」
難しい言葉ではなく、日常の中の“禅”を優しく伝えてくださる方でした。家でも呼吸を意識するようになりました。「ヨガと坐禅の組み合わせが心地よかった。」
身体をほぐしてから坐ると、自然に呼吸が深まりました。富士山の空気と、河口さんの穏やかな声が印象的でした。
まとめ|変化の時代に、“静かな判断力”を持つ組織へ
技術やノウハウだけでは、変化の激しい時代を乗り越えられません。
必要なのは、「どうあるか」という姿勢です。
禅はスキルではなく、生き方であり、働き方そのものです。
心と体が整うと、組織の空気が変わり、判断が澄み、迷いが減ります。
富士山麓の静寂の中で、
あなたの組織も“静かな判断力”を育ててみませんか。
耕雲院でお待ちしております。
