
富士山周辺には、雄大な自然が広がり、心を揺さぶる景色や体験が数多くあります。
ここでは、定番から少し足を伸ばした場所まで、旅の「動」を楽しめる体験を10個ご紹介します。
ただ、旅は“動くだけ”では終わりません。心を開き、受け取った感動を自分の中に静かに沈めていく時間があってこそ、旅は深まります。
そこで最後に、富士山麓ならではの旅の余韻を整える「静」の体験へとご案内します。
富士山周辺で心と体が満たされる体験型アクティビティ10選
富士山周辺は、雄大な自然、歴史的な景観、そして豊かな文化が息づく場所です。活動的な「動」の体験を通じて心と体を満たす、選りすぐりのアクティビティをご紹介します。これらの体験一つ一つが、日々の生活では見失いがちな「今、ここ」の気づきを与えてくれます。
【絶景体験】富士山の雄大さを体感するアクティビティ
- 河口湖でのカヌー・SUP体験: 湖面に映る美しい逆さ富士を眺めながら、水上での静かな移動体験を楽しめます。水上から眺める景色は、地上とは全く異なる感動を与えてくれます。水面は鏡のように心を映し出します。水の上でバランスをとることは、「無駄な力を抜いて、今あるがままの状態を受け入れる」という禅の姿勢にも通じます。
- 富士山五合目ハイキング: 手軽に富士山の自然に触れられるハイキング。森林浴を通じて、日常では得られない清々しさを感じることができます。山道の一歩一歩に意識を集中させることは、動く坐禅(行禅)の実践であり、心が過去や未来に囚われず「今、歩いている」という事実に立ち戻る時間となります。
- 富士山パノラマロープウェイ: 短時間で標高を上げ、富士山や河口湖の壮大な景色を堪能できます。標高が上がるにつれて、日々の悩みが遥か眼下に見えることで、心の距離を取って自分を俯瞰する貴重な機会が得られます。
【自然・神秘】五感を刺激する山麓のアクティビティ
- 青木ヶ原樹海でのケイブ(洞窟)探検: 青木ヶ原樹海の神秘的な洞窟を探検し、地球の鼓動を感じる非日常的な体験は、五感を刺激します。洞窟の闇と静寂は、情報過多な現代社会から離れ、「視覚以外の五感」に意識を集中させる、一種の強制的なメディテーションとなります。
- 忍野八海: 古くから信仰の対象とされてきた、富士山の伏流水が湧き出す忍野八海を散策。水にまつわる歴史文化に触れることができます。八つの池を巡ることは、私たちが日々遭遇する様々な「煩悩(波)」を観察し、水の「清らかさ」を心に映す時間となります。
- 山中湖でのサイクリングやウォーキング: 湖畔を静かに移動しながら、周囲の自然を肌で感じ取るサイクリングやウォーキングは、自分自身と向き合う時間にもなります。風の音、鳥のさえずり、足裏の感覚など、一つの行いに心を込める「一行三昧」の練習となります。
【文化・創作】思い出に残る地域文化のアクティビティ
- ほうとう作り体験: 山梨の郷土料理である「ほうとう」を自作する体験は、地域文化に触れ、舌を通して心を満たします。禅の教えでは、料理も修行であり(典座教訓)、粉をこね、野菜を切るという一つ一つの動作に心を込めることで、日常の中に禅を見出すことができます。
- 富士山クラフトパークでの創作体験(陶芸、ガラス細工など): 陶芸やガラス細工といった創作体験は、旅の思い出を形に残し、集中して何かを生み出す喜びをもたらします。心を静め、ただひたすらに一つのものに向き合う時間は、坐禅にも共通する究極の集中力(無心)を養います。
- 温泉旅館の日帰り入浴: 旅の「動」の疲れを癒やす「ゆるやかな静」の時間です。湯に浸かり、ただ温かさを受け入れることは、「身心一如」の教えの通り、体が整うことで心の緊張がほぐれることに繋がります。
- 早朝の湖畔でのセルフ呼吸法:活動的な旅の終盤には、意識的に「静」の時間へと移行することが重要です。情報に溢れた社会においては、この意識的な時間の確保が、心のリセットに役立ちます。このセルフ呼吸法の後にこそ、より深い静寂へと導かれる耕雲院の禅リトリートがあります。
刺激的な旅の終わりに:アクティビティ疲れを「心の静寂」に変える方法
なぜ「動」の体験の後に「静」の時間が必要なのか?
アクティビティで高揚した心身をそのままにしておくと、疲労や興奮状態が残り、心の真の満足度が低下しやすい傾向にあります。私たちは常に走り続けていると、回遊魚のように止まったら死んでしまうかのように、自分を常に詰め込んでいる状態になってしまいがちです。
刺激的なアクティビティは、たくさんの写真を撮り溜める行為に似ています。しかし、その後に写真を現像しアルバムに整理する時間がなければ、感動は単なる記憶の断片になってしまいます。意識的な静寂は、この興奮を「心の滋養」としてしっかりと定着させるために不可欠なのです。
仏教では、過ぎ去った過去にこだわらず、まだ起こってもいない未来への不安に囚われないよう、過去も未来も断ち切って「今」できることを一生懸命に行う「前後際断(ぜんございだん)」の考え方を説いています。
旅の感動を持続的な平穏に変えるには、今この瞬間に自分と向き合うことが必要なのです。
👉 リトリートという概念について詳しく知りたい方は「お寺リトリートとは—静けさに“泊まる”という選択」をご覧ください。
旅の選択肢として「禅リトリート」を選ぶ価値
この富士山麓での旅を「一瞬の思い出」で終わらせず、「持続する心の平穏」へと昇華させるための最も賢明な選択が、耕雲院の禅リトリートです。
私たちは、カヌーやケイブ探検といった非日常的な「動」の体験を探して富士山を訪れます。しかし、本当の非日常とは、静寂の中で心と体を空っぽにする時間ではないでしょうか。
富士山麓は、古来より修行の場であり、大自然の静謐なエネルギーが満ちています。この特別な場所だからこそ、私たちは3〜4時間という短時間でも、温泉や食事では得られない、深いレベルでの心の強制リセットが可能になるのです。禅リトリートは、旅の最後に組み込むことで、すべての体験を「心の滋養」として昇華させる、最高のオプションです。
【旅のハイライト】富士山麓 耕雲院「禅とヨガのリトリート」の提案 
アクティビティ経験者にこそ最適な「動」から「静」への移行
旅の最後、あるいは日帰り観光の締めくくりに、3〜4時間という無理のないプログラムで「心と体のバランス」を取り戻しませんか。
耕雲院の独自プログラムは、「動の禅」(ヨガで身体をほぐす)から「静の禅」(坐禅で心を静める)へとスムーズに移行できるように設計されています。アクティビティで高まった身体感覚をそのまま禅の実践に活かすことは、心と体のバランスを取り戻すために最適です。
永平寺の教えが導く「安心感」と場所の優位性
大本山永平寺での厳しい修行経験を持つ私が直接指導にあたります。
坐禅は何かを達成する手段として捉えるのではなく、その姿そのものが仏の姿であり、悟りの姿である
「只管打坐(しかんたざ)」の実践です。
初めて坐禅を行う方でも、「初心忘るべからず」の精神で、一つ一つの動作を丁寧に伝え、
自己流に陥ることなく深い静寂へと導かれる安心感があります。
富士山麓の澄んだ空気と静謐な環境は、旅の疲労や日常のノイズを完全に遮断し、集中の質を高めるのに最適です。
—耕雲院リトリート プログラム概要—
- 所要時間: 約3〜4時間
- 内容: ヨガ・坐禅・写経 ※精進料理はオプション
- 費用: 10,000〜15,000円
- 場所: 山梨県都留市(富士山・河口湖から車で約40分)
👉 坐禅の流れや心構えを知りたい方は 「体験 座禅|初めての人が知っておきたいガイド」も参考になります。
耕雲院 副住職・河口智賢(かわぐち ちけん)からのメッセージ
私、河口智賢は、山梨県都留市にある曹洞宗 耕雲院で副住職を務めております。
大本山・永平寺での修行経験や、映画『典座 –TENZO–』での主演経験から、私は「禅は、誰の心にも届く、生き方の知恵である」と確信しています。
富士山での活動的な旅は、私たちに最高の感動と刺激を与えてくれます。でも、その興奮状態が続くと、なんだか心が落ち着かないまま旅を終えてしまうことがありますよね。
心を一時的に整える方法も大切ですが、私たちが目指すのは、
「旅の感動を、日常に戻っても持続する心の平穏に変えること」です。
これは、難しい修行ではありません。
大切なのは、活動で高ぶった心身を、意識的に「ニュートラル」な状態に戻してあげることです。
耕雲院がご案内するのは、「堅苦しくなく、誰でも参加できる、アットホームな禅体験」です。
富士山麓の静かな空間で、心を休めるために必要なことは、ただこれだけです。
- 頑張らず、呼吸に戻る。
- 「自分に戻るためのヨガ」で身体をそっとひらく。(動の禅)
- そして、その先に待つ坐禅で、心を空っぽにする。(静の禅)
ここでは、坐禅の前にストレッチやヨガを取り入れることで、硬くなった体をほぐし、初めての方でも楽に、ホッとして坐れるように工夫しています。
旅の終わりに、3〜4時間という無理のない時間で、非日常の静寂に身を置いてみませんか。
あなたの旅の感動を、持続する平穏へとつなげるお手伝いを、私自身が丁寧にご案内させていただきます。
体験者の声
「心の奥に“静けさの余白”が生まれました。」
日常では味わえない深い静寂に包まれる時間でした。自分の呼吸が“帰る場所”になる感覚を体験できました。「坐禅と法話が、自分の生活を見直すきっかけに。」
難しい言葉ではなく、日常の中の“禅”を優しく伝えてくださる方でした。家でも呼吸を意識するようになりました。「ヨガと坐禅の組み合わせが心地よかった。」
身体をほぐしてから坐ると、自然に呼吸が深まりました。富士山の空気と、河口さんの穏やかな声が印象的でした。
FAQ(よくある質問)
Q: 初めてでも大丈夫ですか?
A: もちろんです。指導者は常に**「初心不改」(初心を改めない)**の心を大切にしており、初めてチャレンジする方の気持ちに寄り添い、姿勢や呼吸法を丁寧に指導いたします。
Q: 服装に決まりはありますか?
A: 身心一如(心と体は一つ)の教えの通り、坐禅で体を真っ直ぐに保てるよう、動きやすい服装であれば問題ありません。
Q: 写経や精進料理は全員参加ですか?
A: 写経は体験に含まれますが、精進料理はオプションです。ご希望の方のみご予約ください。
Q: 坐禅中に眠くなってしまったら?
A: 眠くなるのは自然なことです。眠気に気づくことも禅の一部です。焦らず、呼吸に意識を戻してみてください。
Q: 予約はどこからできますか?
A: こちらのお問い合わせフォームからご予約ください。
富士山アクティビティの旅を、より深く、心地よく終えるために
旅で得た感動は、一瞬の景色や体験で終わらせるには、あまりにもったいないものです。
私たちは、忙しい日常から離れて富士山を訪れ、たくさんのエネルギーをチャージしました。
その「動」のエネルギーを、意識的な静けさ(禅)を通じて、日常に戻っても消えない「心の平穏」という確かな財産に変えることができます。
この二度とない旅の瞬間を、ただ楽しむだけでなく、未来の自分を支える「心の柱」へと繋げましょう。
「いつかやろう」と先延ばしにせず、今、心を休ませることが、一番大切です。
この富士山麓での特別な時間を、ただ楽しむだけでなく、日々の生活を支えるための確かな心のゆとりに変えてみませんか。
