判断が生まれる前の「心」を調える― 禅を社内研修に取り入れる意味 ―
現代の企業において、社内研修のあり方は大きな転換点を迎えています。
スキルや知識を学ぶ研修は数多く実施されている一方で、
- 研修直後は手応えがあるが、現場に戻ると変化が続かない
- 管理職の判断や言葉が、意図せず職場を硬直させてしまう
- 正論を尽くしているはずなのに、人が動かない
といった悩みは、業種や規模を問わず多くの企業で聞かれます。
禅は、新しいノウハウを教えるものではありません。
判断や行動が生まれる前の「心の状態」そのものを調える実践です。
本記事では、
- なぜ今、社内研修が効きにくくなっているのか
- 禅を社内研修に取り入れると、職場で何が変わるのか
- なぜ最終的に「場」を変える必要があるのか
を、富士山麓の禅寺・耕雲院での実践をもとに整理していきます。
なぜ今、社内研修が“効かなくなっている”のか
従来の社内研修が成果につながりにくくなっている背景には、
現代の働く人々が抱える 「心の負荷」 の増大があります。
情報量は増え続け、
ニュース、SNS、社内外からの評価や意見が、常に意識を引き裂きます。
それらを吟味する余裕がないまま、判断だけが求められる状態が続くと、
心は知らないうちに疲弊し、視野が狭くなっていきます。
この状態では、
- 自分の言動が周囲にどう影響しているかに気づきにくい
- 正しさを優先するあまり、相手の状況が見えなくなる
- 忙しさのなかで、自分自身の余裕を失っていく
といった現象が起こりがちです。
多くの場合、これは能力不足ではありません。
心の状態が整わないまま、判断を続けていることが原因です。
社内研修に「禅」という視点が求められる理由
禅が社内研修の文脈で注目される理由は明確です。
それは、考え方を教える前に、姿勢・呼吸・集中といった「状態」を整える点にあります。
社内研修では、
「どう判断すべきか」「どう伝えるべきか」が語られがちですが、
実際の現場では、その前段階として、
- どんな心の状態で判断しているか
- どんな余裕で相手の話を聞いているか
が、結果を大きく左右します。
禅の実践は、
判断を変えようとするのではなく、判断が生まれる土台を整えるものです。
そのため、知識型研修では届きにくい部分に作用します。
👉 禅が企業研修の文脈でどのように判断力や組織の在り方に作用するのかについては、
「禅を取り入れた企業研修とは?|迷いが減り、判断が澄む組織をつくるために」
でも、耕雲院での実践をもとに詳しく整理しています。
社内研修として禅を取り入れると、何が変わるのか
① 判断の視野が広がる
管理職層は経験を重ねるほど、
自分なりの「正しさ」や成功パターンを持っています。
しかしその前提が強くなるほど、新しい意見や現場の声が入りにくくなることもあります。
禅の実践では、
「自分はいま、どんな状態で判断しているのか」
を一歩引いて見つめ直す時間が生まれます。
結果として、
- 決めつけが減る
- 状況全体を見渡した判断ができる
- 相手の立場を踏まえた言葉選びが増える
といった変化が、現場で自然に起こります。
② 感情に振り回されにくくなる
業務に追われるなかで、
過去の失敗や、まだ起きていない未来への不安に引きずられる場面は少なくありません。
禅では、「今ここ」に戻る感覚を大切にします。
目の前の一つの行為に集中することで、
感情の波に飲み込まれにくくなります。
この状態が調うと、
- 不安や焦りからの即断が減る
- <会議や対話の場で、余白を持った応答ができる
- 結果として判断の質が安定する
といった変化につながります。
③ 対話の質が変わり、組織が調和し始める
自分自身が調うと、
他者との関係性にも変化が生まれます。
- 相手の話を最後まで聞ける
- 不要な対立が減る
- 組織全体の空気が落ち着く
禅の実践は、
誰かを変えようとするものではありません。
まず自分を整えることで、周囲との関係が変わっていくという点に特徴があります。
それでも「社内」だけでは難しい理由
禅の考え方や実践は、本来、日常で活かされるものです。
しかし現実には、日常の職場環境そのものが、
心を整えにくい条件で満ちています。
オフィスやリモート環境では、
- 情報や通知が絶えず入ってくる:
- 役割や立場が思考を縛る:
- 内省の時間を意識的に取らないと流れてしまう:
といった制約があります。
心が動き、「一度立ち止まってみよう」と思える状態に入るには、
環境そのものの力が必要になることも少なくありません。
👉実際に「環境を変える研修」とはどのようなものなのか、禅寺という場で行う法人向けリトリート研修の考え方や内容については、
【企業向け】リトリート研修とは?|禅×富士山で整う法人向けお寺リトリートで詳しくご紹介しています。
環境を変えると、なぜ判断が変わるのか
① 静けさが、気づきを生む
自然に囲まれた環境では、
五感が外部刺激から解放され、
自分自身の状態に意識が向きやすくなります。
富士山麓の静けさは、
「考える前に感じる」感覚を取り戻す助けとなります。
② 身体が整うと、心が調う
禅では、体と心は切り離せないものと考えられています。
姿勢や呼吸を調えることで、
思考のスピードが落ち、判断に余裕が生まれます。
これは、日常の職場では得がたい体験です。
③ 行動と結果のつながりを見直せる
心身が落ち着くことで、
「いまの行動が、どんな未来につながるのか」を
冷静に見つめ直す視点が戻ってきます。
この感覚は、管理職やリーダーにとって、
非常に重要な判断の基盤となります。
耕雲院の禅リトリートが、社内研修の延長線にある理由
富士山麓・山梨県都留市にある曹洞宗 耕雲院では、
大本山永平寺で修行を積んだ僧侶が、 坐禅・作法・法話を通じて禅の実践をご案内しています。
耕雲院の禅リトリートは、リラックスや非日常体験を目的としたものではありません。
自分の心の状態に気づき、
自分で「これが良い」と判断できる力を取り戻す場です。
社内研修で培った気づきを、より深く、自分自身の土台に落とし込む。
その延長線上に、禅リトリートは位置づけられています。
どんな企業・組織に向いているか
- 管理職やリーダー層の判断の質を高めたい企業
- 知識研修だけでは限界を感じている組織
- 人を育てることを、短期成果ではなく長期視点で捉えている企業
- 若手や新入社員に、自分で考え行動する力を育んでほしいと願う組織
こうした課題を持つ企業にとって、
禅 社内研修、そして禅リトリートは有効な選択肢となります。
富士山麓という「場」で行う、禅リトリート研修
耕雲院は、富士山麓・山梨県都留市にある曹洞宗の禅寺です。
富士山と河口湖を望む自然環境、鐘の音や経本をめくる音が響く静けさ。
日常から一歩離れたこの「場」そのものが、心の状態を切り替える力を持っています。
この環境の中で行う禅の社内研修は、
単なる非日常体験やリフレッシュを目的としたものではありません。
- 企業にとっての「人」への投資
- 働く人のウェルビーイングの土台づくり
- 組織と個人の関係性を見つめ直す時間
として、静かでありながら確かな影響をもたらします。
禅の言葉に、
「生を明らめ、死を明らむるは、仏家一大事の因縁なり」
という教えがあります。
生きることを明らかにすることこそ、最も大切なことである、という意味です。
働き方やキャリアの選択もまた、
突き詰めれば「どう生きるか」という問いの延長線上にあります。
富士山麓の静けさの中で、
禅リトリート研修を通じて、社員一人ひとりが自分自身の在り方を見つめ直し、
今いる場所で愚直に歩んでいく覚悟を新たにして、
それぞれの現場へ戻っていく。
耕雲院は、その時間を支える「場」と「実践」をご提供しています。
禅に根ざした、耕雲院のリトリートプログラム
耕雲院の禅リトリートでは、次のような実践を組み合わせて行います。
- 坐禅
- 写経
- 精進料理(オプション)
- ヨガや呼吸法
いずれも、特別な技術を身につけるためではなく、
「今の自分の状態に気づく」ための時間です。
言葉や文化が異なる海外でも上映された映画『典座 –TENZO–』の主演経験を通じて、
「静かに坐る」という行為が、国や背景を超えて人の心に届くことを、
私たちは実感してきました。
禅が本来持つ普遍性は、
企業研修という文脈においても、変わることなく息づいています。
プログラム概要(参考)
-
- 所要時間:3〜4時間
- 内容:ヨガ・坐禅・写経
- ※精進料理はオプション
- 費用:10,000〜15,000円
- 場所:山梨県都留市
- (富士山・河口湖から車で約40分)
※ 企業・団体向けには、目的や人数に応じた調整も可能です。
👉 詳細・予約はこちら → 耕雲院公式サイトリンク
耕雲院 副住職・河口智賢(かわぐち ちけん)より
山梨県都留市にある曹洞宗 耕雲院で、副住職を務めております
河口智賢(かわぐち ちけん)と申します。
若い頃、大本山・永平寺にて修行し、
坐禅、作法、精進料理、日常の振る舞いに宿る禅の心を学びました。
その後は、全国各地、そして国内外の方々と向き合いながら、
禅の実践を現代にひらく場づくりを続けています。
禅は、難しい理論や特別な修行ではありません。
日々の動作、呼吸、食事、人との関わりの中に、すでにあります。
その姿勢が誰にでも開かれているからこそ、
子ども食堂の運営、オンライン坐禅、そして企業向けリトリート研修といった形で、
日常に寄り添う実践を重ねてきました。
富士山麓の静けさの中で呼吸が調うと、
「考える前に、感じられる心」が、自然と戻ってきます。
耕雲院での時間が、
読んで覚える学びではなく、
心とからだで思い出す学びとなるよう、
一つひとつ、丁寧にご案内しています。
体験者の声
-
- 日常では味わえない深い静寂に包まれる時間でした。
坐禅を続けているうちに、自分の呼吸が“帰る場所”になるような安心感が生まれました。
忙しさに追われていた心が、ようやく落ち着いた気がします。 - 禅というと難しい世界のように思っていましたが、
河口さんが伝えてくださる話は、毎日の暮らしや仕事にそのまま持ち帰れる内容でした。研修後、「呼吸を意識すること」が自然と習慣になりつつあります。 - 身体がほぐれた状態で坐ると、呼吸がスムーズに入り、
心と体がひとつにつながる感覚がありました。
富士山麓の澄んだ空気と、河口さんの柔らかい声が印象に残っています。
- 日常では味わえない深い静寂に包まれる時間でした。
FAQ(よくある質問)
Q. 初めてでも大丈夫ですか?
A. もちろんです。姿勢や呼吸法は最初に丁寧にご案内します。
Q. 服装に決まりはありますか?
A. 動きやすい服装であれば問題ありません。
Q. 写経や精進料理は全員参加ですか?
A. 写経は体験に含まれますが、精進料理はオプションです。ご希望の方のみご予約ください。
Q. 坐禅中に眠くなってしまったら?
A. 眠くなるのは自然なことです。眠気に気づくことも禅の一部です。焦らず、呼吸に意識を戻してみてください。
Q. 予約はどこからできますか?
A. こちらのお問い合わせフォームからご予約ください。
研修を変える前に、判断が生まれる「場」を整えるという選択
企業研修の成果は、
何を教えたかではなく、
どんな状態で学び、判断し、行動できたか によって決まります。
「リトリート研修を検討しているが、何から決めればいいかわからない」
という段階のご相談も歓迎です。
まずは、小さな「発心」から。
お問い合わせをお待ちしております。
